Twitterのトレンドにもなった「マナー盛り」。ゲーム由来の言葉なのですが、ゲーマーでも意味が分からない…という人が多い特殊な専門用語です。
マナー盛りとは一旦何なのか?意味や由来を分かりやすく解説します。
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マナー盛りとは?意味について
クエスト参加のマナーとして装備を盛ること
マナー盛りを簡単に説明すると…
「ゲームで一緒にイベント・クエストで参加する際に、必ず勝ちたいからレベルだけではなくて装備を強化してステータス上げて参加してください。条件に合った者・満たした者同士でパーティーを組んで参加するのは『マナー』です!」
これを一言で表したのが「マナー盛り」です。
ゲーム時に「マナー」として装備強化・ステータス等を「盛る」こと、です。
マナー盛りは「ゲームで必ず勝ちたい」から生まれた
ゲームのクエスト・イベントでは時に「必ずクリアしないといけない・完璧に勝利しないといけない」レベルのものが存在することがあります。
とくにオンラインゲームではパーティーを組むイベントは多々あります。
その際にただ気軽に無装備でホイホイと参加するプレイヤーとパーティーを組んでしまうと、ガチで勝ちにいきたいたいめにフル装備・フル強化しているプレイヤーにとっては「迷惑すぎる!」「なんなんだ!絶対に勝ちたいのに!」といったフラストレーションがたまります。
特に必ずクエストやイベントを完遂して成果を大きく得たい、ガチで勝ちたい人にとっては不幸でしかありません…
そのため「レベルもだけど、このクエストはさらにこれくらい装備強化で挑んで!」という条件付きで仲間を募集したりパーティーを組むことで、クエストやイベントで確実に勝利を取りに行く!というのが流行・定番化しました。
マナー盛りは、他プレイヤーに対する「マナー」としてレベル以外でも装備強化で「盛る」という文化が定着してきたことで「マナー盛り」という専門用語が生まれました。
マナー盛りの由来
語源はファンタシースターオンライン2(PSO2)から
オンラインゲームの老舗というか王道のゲームといえる「ファンタシースターオンライン2」。
古参組からライトユーザーまで幅広いプレイヤーがいる分、ゲームに対する意識や姿勢でゲーム界隈の治安が乱れることも多々ありました。
「マナー盛り」は同ゲームの治安が悪化した際に生まれた文化・専門用語です。
2013年の新クエスト実装がマナー盛り誕生のきっかけに
初期のころのファンタシースターオンライン(以下PSO2)のゲームは武器・ユニットは「レア度」だけを気にしていればゲームの難易度に合った遊び方が気軽にできていました。装備強化にそこまで焦点が当てられることがなかった状態です。
しかし2013年10月に難易度がぶち上がった(ハード止まりだったのがさらに上のベリーハード・スーパーハードが追加)上に、新クエスト「採掘基地防衛戦」(時間がかかる上に完璧に成功しないと報酬が下がってしまうイベント)が実装されたために、「マナー盛り」という文化・言葉が誕生することとなります。
- ゲームの難易度がいきなり上がった(それなりの装備強化をしないとクエスト失敗)
- クエストの時間がかかる
- さらにクエストが完全報酬制(大成功でクリアしないと報酬がしょぼくなる)
プレイ時間もかかる上に大成功を収めないと報酬が下がる…旨味がなくなってしまう…これが先述紹介した「必ず勝ちを取りにいかなければならないクエスト・イベント」の状態です。
このため絶対に完璧な大成功を収めたいガチプレイヤー勢は、チームメンバーやフレンドを固定で組むのが定番化してきました。
「マナーとして盛る」基準が必要になった
一方でライトユーザーを中心にクエストに装備未強化で参加してクエスト失敗の要因を作ってしまう人もいるわけで……そういった「武器未強化で参加した人」を晒す行為が界隈で増え始めました。晒す行為の理由は「気に食わない(勝ちたかったのにコイツのせいで負けた的な)」という感情的なものだったこともあり、
- 何が気に食わない・悪いのかが曖昧すぎて分からない!
- 武器強化が必要なら基準(条件)を設けろ!
という流れから「お互いのマナーとして武器強化でこれくらい持ってくださいね‥」というマナーとしての「盛り方」基準が提示されはじめました。
これがマナー盛りの由来・原点となります。
マナー盛りの炎上騒動とは?
マナー盛りはユーザー差別・排除につながる?
マナー盛りは「オンランゲームをするなら」といった一種のローカルルールになりつつあったため、
「本来誰もが自由に参加できるはずのオンランゲームなのにマナー盛りを押し付けるのはどうなのか?」
という観点から「差別」なのでは?という論争にもなったりします。
マナー盛りはゲーム初心者を守るためのルールでもある?
一方で、ゲーム初心者からみると上級者・ガチ勢からの「圧」や壁にも見えるマナー盛りですが逆を言えば「マナー盛りに武器強化が達していれば一定数に認められる」「マナー盛りを守ることで他プレイやーから晒されたり地雷扱いされずにすむ」という一種の目安・基準にもなっています。
もともとが「初心者から上級者までがお互いに気持ちよく、誤解がないようにゲームをするため」のはざまから生まれたのが「マナー盛り」だったので、ゲーム初心者・ライトユーザーを守ることができる、ゲーム界隈でのローカルルールでもあったわけです。
マナーではなく要求化が問題に
本来は「クエストで本気で成功したいから最低限せめてこれくらいは装備強化して!」が基本・原点のためのマナー盛りだったこともあり、マナー盛りが拡大解釈され、相手にとんでもない高いステータス値を求めるプレイヤーが現れるようになります。
そのため初心者・ライトユーザーにも優しい上級者プレイヤーを中心に
「勝手に『マナー盛り』の基準を引き上げるのはおかしい!」という声も上がる事態になりました。
逆にHP・PPを盛らない人が問題に?
マナー盛りは「武器強化で盛ること」=ステータス値についての基準だったため、今度は逆に基本となるHPやPPを盛らない人も現れたことで新たな問題化に。
今度はHP等を盛る=マナー盛り同様の流れでスロット付与も条件として求められはじめ、「結局はマナー盛り以上のことを求められる」ということで「マナー盛りって意味がないのでは…」という流れになりました。
マナー盛りというルール、言葉はあらゆる問題・議論を経て、薄らいていきました。
Twitterで炎上・騒動になったのは?
マナー盛りって盛り上がってるからどうしたかと思えば、この人たちあたりが火種かね。 pic.twitter.com/GU6WxfG1sH
— ぴよふぃん☕🍮🍮🍮🍰🍮🧁🐣ペチ⁽⁽ฅ₍ᐢ. ̫ .ᐢ ₎🐣🐥🐣🐥 (@rylfinsweets) June 17, 2021
ローカルルールの白チャ控えめとか最低限のマナー盛りとかってこれからも守っていくべきだと俺は思う。
迷惑になることが多いから先人や現役プレイヤーが積み重ねて決まった最低限のマナーだ。受け継いで行くべきことだと思う
見ろよ白チャで話してるやつの大半が見るに堪えない内容しか喋ってないから
引用:Twitter
別に寄生装備で絶対参加しないんでマナー盛りの文化とか全然オッケー
むしろ逆に「気持ちだけではわかりづらいから数字で証明して」っていう”数字”っていうわかりやすい概念でふるいにかけられるならいいでしょとおもう
その一方で2021年6月に「マナー盛り」について語ったツイートがきっかけで
- まだマナー盛りとかあるの!?
- マナー盛り懐かしい!
- マナー盛りの押し付けって…
- マナー盛り=キャラクターを「盛る」に変容してきた
などで盛り上がり、炎上とは言えないもののマナー盛りの話題でTwitter上で盛り上がりました。
マナー盛りの現状は?
マナー盛りって言葉はそもそも旧PSO2で戦闘力による線引きが無かった時代に「特殊能力はステ60以上盛るのがマナー」とか言い始めたヤツを揶揄するために生まれた言葉なので今PSO2NGSやってる人は気にしなくて大丈夫です pic.twitter.com/QoDYuU0fRt
— リリー・S・スプラウト@6/17で1周年 (@Lily_S_Sprout) June 17, 2021
他のゲーム界隈でも「マナー盛り」のようなことは浸透するきっかけとなったPSO2ですが、今現在は「特に気にしなくて大丈夫」というゲーマーも多く、一つの「歴史」となっているようです。
「まだマナー盛りなんて、そんなこと言ってるの?」
という声が多く、過去のゲーム仕様の文化が、今現在の進化したゲーム仕様にまで「マナー盛り文化を引きずっているの?」ということに驚いている人たちも多いようです。
昔から「マナー盛り」は賛否両論だったものなので、今現在も話題にあがると良くも悪くも盛り上がるのは当然なのかもしれませんね。