会話の途中に「ハッピーアイスクリーム」と唐突に言われて、一体何のこと?と疑問に思った人向けに記事をまとめました。
ハッピーアイスクリームとは?一体どういう意味なのか?
ハッピーアイスクリームの由来や元ネタなどについてまとめました。
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ハッピーアイスクリームとは?
ハッピーアイスクリームとは一体何か?
結論から言ってしまうと、合言葉・おまじないの言葉になります。
ハッピーアイスクリームを使う場面・定義
会話中に2人以上が同じタイミングで同じ言葉を発した時に「ハッピーアイスクリーム」と言い合うのが基本となります。
地域によっては「同じ服装」「同じアイテム」など…偶然に「かぶった」場合に「ハッピーアイスクリーム」と言い合っていたりもしたようです。
ハッピーアイスクリームは年代・地域によって違う?
実は、ハッピーアイスクリームを言うとどうなるか?は地域・年代で変わってきます。
- 先にハッピーアイスクリームと言った人に良いことが起きる
- お互いにハッピーアイスクリームと言い合うことで両方とも良い事が起きる
- 先にハッピーアイスクリームと言った相手にアイスをおごる
- ハッピーアイスクリームと言いながら相手の肩をぽんとたたく
- ハッピーアイスクリームと言った後に相手の肩を3回たたいて「幸せとった鍵閉めた!」と言う
ハッピーアイスクリーム以外の言葉もある
同じ言葉を同じタイミングで言ってしまった時にお互いが言い合う言葉「ハッピーアイスクリーム」ですが、地域・都道府県によっては別の言葉で言い合うこともあるようです。
- 「ハッピーストップお返しなし」(山梨県)
- 「ハッピーごんぼ」(東大阪)
- 「ハッピーおいも(お芋)」(京都)
- 「ハッピーアイスクリームポコペン」(長野)
- 「ハッピー飴」(青森)
- 「ハッピータイム」
- 「ハッピー彼氏」「ハッピーチョコレート」など(ハッピーの後ろに欲しいものを言う)
- 「ハッピ、キュ」(英語圏?)
- 「ブレドゥンバター」(bread&butter、パンとバターの意味、イギリス)
なぜハッピーアイスクリーム?理由は?
会話の気まずさを幸せな気分に変えるため?
相手と声だけでなくセリフまで重なった時、何とも言えないような気持ちになりやすいです。こそばゆいような恥ずかしい気持ちだったり、気まずい思いをしたり…などです。
最近ではZoomなどのオンライン通話で、さらに会話のタイミングが難しくなっているので、相手と声が被ってしまう気まずさや恥ずかしさがありますよね^^;
ハッピーアイスクリームは、そういった「声と言葉が重なった空気を打ち破り幸せな笑いに持っていく合言葉」のような役割を果たしているのでは?と推測できます。
ハッピーアイスクリームの由来と元ネタは?
ハッピーアイスクリームの語源は不明?
実は「ハッピーアイスクリーム」の元ネタとなった人物・出版物・ニュースは特定されていないのが現状です。
しかしながら、昭和50年代には既に「ハッピーアイスクリーム」の定義・ルールのようなものが存在していたようです。
少女漫画『初恋時代』(昭和50年)
昭和50年の『週刊マーガレット』(集英社)に連載されていた岩館真理子『初恋時代』のワンシーンに「ハッピーアイスクリーム」が出てきます。
「いまはやってるのよ これ
ふたりが同時におんなじことばをいっちゃったとき
ハッピー・アイスクリームって先にいったほうが勝ちなの
いえなかったほうは
アイスクリームおごるので──す」
高校2年生の女子高生のセリフです。
少女漫画『アラミス’78』(昭和53年~59年)
昭和53年から59年に『別冊少女フレンド』(講談社)で連載の大和和紀『アラミス’78』でも「ハッピーアイスクリームの言葉が出ています」
「ゲームだよ
二人で同時に同じこといったら
さきにハッピーアイスクリームって いったほうが
アイスクリームをおごってもらえるってわけ」
引用:『アラミス’78』 Message13「はっぴいアイスクリーム」(昭和56年12月)
こちらのセリフは高校2年生の男子高校生のもの。
夏のお嬢さん「アイスクリーム」
1978年(昭和53年)に発売された榊原郁恵さんの曲「夏のお嬢さん」。
歌詞に「アイスクリーム ユースクリーム」は「I scream, you scream.(私は叫ぶ、貴方も叫ぶ)」という、アイスクリームとのダジャレのような部分があります。
実はこの歌詞自体にも元ネタがあって1927年のアメリカの流行歌『I Scream, You Scream, We All Scream for Ice Cream』に由来しているというのです。
同じタイミング・同じ言葉を発した時に、お互いに「あっ!」と叫ぶところから、アイスクリームにハッピー(幸せ・縁起の良い)をつけた「ハッピーアイスクリーム」が、一部女性・女の子たちの間でますます浸透していった可能性があります。
まとめ:ハッピーアイスクリームの経緯
昭和50年ごろには、「同じタイミングで同じ言葉を発した時、先に『ハッピーアイスクリーム』と言った方が、相手にアイスをおごってもらえる」というゲームみたいなやりとりが高校生を中心とした若者たちの間で流行していたようです。
それが少しずつニュアンスを変えつつ、『ハッピーアイスクリーム』と言い合うのみとなったり地域性が出てきた背景には、実際にはなかなかアイスクリームを奢れなかったり、おこづかいの少ない小学生・中学生たちへと広まる過程があったからなのではと推測できます。
また当時の歌謡曲で「アイスクリーム」のフレーズが流行ったことも、遠巻きながらハッピーアイスクリームの浸透を後押ししたのかな…と思います。
まだまだ謎の多い「ハッピーアイスクリーム」ですが、実際に使っていた人や「私の住む地域ではこんな感じで使っていたよ!」という思い出話&経験談がありましたら、コメントいただけるとうれしいです。それでは^^