近年、メガネを扱う眼鏡店で補聴器が販売されることが増えています。この現象は一見すると意外かもしれませんが、実は深く関連する背景があります。
この記事では、メガネ屋で補聴器が販売される理由と、それが示す眼鏡店の変化について掘り下げていきます。
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メガネ屋でなぜ補聴器が売られているのか?
高齢者の増加と客層が同じ・重なっているから
高齢化社会の進展により、視力と聴力の両方に問題を抱える高齢者が増えています。
メガネ屋に行く人のなかには「老眼鏡」を求める人も一定数います。
老眼鏡を求める人=高齢者・お年寄り
補聴器が必要となる人も、加齢によって耳が遠くなった人が多いですよね。
そういった「身体の衰え」という共通の悩みを抱えやすいシニア層・高齢者がターゲット(お客様)になるので、商品として勧めやすい・販売しやすいのです。
一箇所でメガネ・補聴器の両方の補助具を購入できることが、高齢者にとって非常に便利であると考えられています。
買いに行く(店に入る)恥ずかしさのハードルが下がる
まだまだ一般の人の偏見として
メガネを買いに行く=老若男女が店に入る
補聴器を買いに行く=耳の遠い老人が店に入る
自分はいつまでも若々しくいたい=衰えを認めたくない人は一定数います。
メガネ屋だと老いに限らず視力の問題があったり、今現在は「おしゃれメガネ・伊達メガネ」といったファッションアイテムとして若者層が利用しているので、お店に入ることにさほど抵抗を感じません。
しかし、補聴器となるとこの雰囲気がありません…
ちょっと補聴器を検討しようかな…と補聴器の専門店に気軽に入れないという人が意外と多いです^^;
補聴器もメガネ同様、来店して検査や装着の確認をしたりしないといけません。
- 補聴器専門店に出入りするよりも、メガネ店に出入りするほうがハードルが低い
- 自分の衰えを認めたくない人はメガネ店をある意味カモフラージュにして来店しやすい
なので比較的来店しやすくターゲットも重なっているメガネ屋との相性が良いのです。
若い人には理解しがたい「意外な理由」ですが……極端なたとえですが、奥さん用の下着を買うのに「ユニクロは女性下着が売られていても入りやすいが、チュチュアンナといった下着専門店には入りづらい!」みたいなものです。
補聴器メーカーの戦略が背景にある
補聴器にも主要メーカーがあったりします。
後発組のメーカーが自社の補聴器を売り出したい!となった時に「メガネ店にアプローチしたらいいんじゃないか?」と戦略を打ち出しました。専門店ルート・販売ルートに弱かったゆえの戦略ですね!
先に紹介したような「お客様のターゲット」「お客様心理」をうまく活用したこともありますが、特に
- 顧客の獲得にコストをかけなくてすむ
- 実店舗を持たなくてすむ
- PRしやすい(老眼鏡を買う人向け)
という点が補聴器メーカーとしてはメリットが大きかったようです。
さらに補聴器メーカーがメガネ店にもメリットとなる点を提案できることにも「メガネ店兼補聴器店」へとつながりました。
眼鏡の売上低迷
- コンタクトレンズの普及
- 新規参入組による「低価格メガネ」の普及(若者向け)
こうしたことが老舗メガネ店・企業・店舗にメガネの売上低下をもたらしました。
なので「メガネ以外の商品」を販売することで利益が得られるwin-winの関係を築きやすかったといえます。
老眼鏡と補聴器の共通点
実は意外な理由として、客層・年齢層以外にも、老眼鏡(メガネ)と補聴器には共通することがあります…。
普通のメガネより、老眼鏡は「かけたときの違和感」がある商品です。
その説明のノウハウや接客方法をメガネ店は築き上げています。
実は補聴器も「かけたときの違和感」がある商品。
老眼鏡にたとえやすい上に、お客様の「かけたときの違和感」を柔軟に対応する能力がメガネ店には備わっているので、補聴器メーカーとしても心強いし、メガネ店としても販売しやすいのです。
「接客の仕方が似ている」
ので、メガネ店としても他の商品を売るよりも負担なく接客・販売しやすいです。
視力補正と聴力補助の需要が重なる顧客に対して、眼鏡店がワンストップでサービスを提供することで、顧客満足度を高めることができます。補聴器の調整やメンテナンスも含めて提供することで、利便性を追求しています。
まとめ:メガネ店・補聴器メーカーだけでなくお客様にとってもwin-winだった!
なんとなく想像していた「お年寄りという共通項」以外にも、メガネ店で補聴器を売るメリットが大きいのはお客様にとっても!でした。
- 専門店に行くよりもメガネ店なら入りやすい
- なんなら老眼鏡でお世話になっているメガネ屋さんの店員さんが担当してくれる
というのは買う側としても安心感が得られやすいですよね!