冬の寒い朝、雪で電車が止まってしまい、焦った経験はありませんか?
特に関東地方では雪に慣れていないため、交通機関が麻痺するとどう対処すれば良いかわからなくなることも。通勤や通学、大切な予定がある日に電車が止まってしまうと、困ってしまいますよね。
そもそも、電車はどの程度の雪で運休するのでしょうか?また、動かなくなった場合、どのように行動すれば良いのでしょうか?
この記事では、関東地方における雪で電車が止まる基準や、運休時の対処法について詳しく解説します!
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雪で電車が止まる理由や原因
雨の日でも運行する電車ですが、雪が降ると止まってしまうことがあります。
一見、車のように滑るからだと思われがちですが、実はそれだけが理由ではありません。
雪ならではの問題が関東の電車を止めてしまうのです。
雪で電車が止まる理由:除雪が難しい
関東地方では、積もるほどの雪が降ることは少なく、特に東京や神奈川、千葉では積雪対策があまり進んでいません。そのため、雪が積もると除雪が追いつかず、電車の運行に支障が出るのです。
雪がレールに積もると以下の問題が発生します。
- レールの上で車輪が空回りする
- レールの切り替え(分岐器)がうまく機能しない
- 目的地への運行が不可能になる
実際に、除雪が不十分なために新幹線が雪に埋もれて脱線した例もあります。
除雪が難しい主な理由
1. 除雪や融雪にかかる費用
雪国では、さまざまな方法で除雪や融雪が行われています:
- 除雪車による雪かき
- レール加熱装置や温水装置で雪を解かす
- 空気圧や熱風で雪を吹き飛ばす
- トンネル内の氷結除去
これらには莫大な費用がかかります。首都圏のように分岐器が多い地域では、さらにコストが増加します。
一部の分岐器には融雪装置が設置されていますが、すべてをカバーするには数百億円規模の投資が必要です。
また、装置の維持費も高額で、容易には導入できません。
2. 除雪のための時間が足りない
関東地方は電車の運行本数が非常に多く、早朝から深夜まで運行されています。
そのため、除雪のために電車を止める時間がほとんどありません。
特に首都圏では線路の距離が長いため、人力や機械だけで全てをカバーするのは困難です。
雪対策が不十分な中での工夫
関東では完全な雪対策は難しいですが、以下のような工夫がされています:
- 最終電車の後、空の電車を1時間ごとに走らせ、雪が積もるのを防ぐ
- 一部の重要な分岐器に融雪装置を設置
しかし、これらの対策も完全ではなく、電車や設備の劣化を招くこともあります。
雪で電車が止まる前に知っておきたいこと
関東の電車は、雪が降ると運行に大きな影響を受けます。
電車が止まる基準や対策を知っておくことで、スムーズに行動できるようになります。
次回は、具体的な基準や対処法について詳しく解説します。
雪で電車が止まる基準とは?
雪が降ったとき、電車が運休になることがありますが、具体的な基準はあるのでしょうか?風や雨による運休には明確な基準が存在しますが、雪の場合はどうでしょう。
これまでのデータや過去の運休事例をもとに基準を整理してみました。
強風による運休の基準
まず、風による運休には以下のような明確な基準があります:
- 防風設備がある場合:風速30m/s以上で運休
- 防風設備がない場合:風速25m/s以上で運休
例えば、風速25m/s以上になると何かにつかまっていないと立てない状況になり、トラックが横転する危険性もあります。天気予報では20m/s以上で「非常に強い風」、30m/s以上で「猛烈な風」と表現されることが多いです。
雨による運休の基準
雨の場合は、降雨量だけでなく「実効雨量」が判断基準となります。
- 実効雨量:土壌にどれだけ水分が溜まっているかを表す指標
実効雨量を参考にすることで、土砂災害が起こりやすい状況かどうかを判断し、運休の可否が決定されます。
雪による運休の基準
雪の場合、明確な基準はないものの、過去のデータから以下の傾向が見られます:
- 関東圏の鉄道:積雪10センチ以上で本数減少、20センチ以上で運休の可能性が高まる
- 首都圏の事例:積雪6センチでも一部路線で本数が半減(例:青梅線)
特に2018年1月には東京で積雪20センチとなり、多くの鉄道が運休しました。関東では10センチ以上の積雪で運行本数が大幅に減少することが多いため、運行情報の確認が重要です。
積雪による災害のリスク
積雪による災害も運休の要因となります:
- 山沿いの線路で雪崩が発生し、レールが埋まる
- 積雪の重みで倒れた木が線路を塞ぐ
地形や環境によって影響を受けやすい地域があるため、山間部や海沿いなどでは特に注意が必要です。
雪が降った際の注意点
東京や千葉など、関東の海沿いの地域では普段あまり雪が降らないため、雪が降った場合には運休になりやすい傾向があります。
運行情報をこまめにチェックして、安全な移動計画を立てることが大切です。
雪で電車が止まったときの対処法
雪で電車が運休してしまったとき、どのように対応すればよいのでしょうか。遅延が軽微な場合や完全に運休した場合、それぞれの対処法を詳しく解説します。
遅延の場合:遅延証明書を活用する
運転の見合わせや遅延が5〜10分程度であれば、復旧を待つのが無難です。5〜10分以上の遅延が発生した場合は、遅延証明書が発行されることが多いので、職場や取引先に提出できるよう積極的にもらっておきましょう。
運休の場合:振替輸送を利用する
雪による運休時には、「振替輸送」が実施される場合があります。このサービスを利用すれば、持っている乗車券で他の鉄道を利用できるため、切符の買い直しや返金手続きを省けます。
振替輸送の利用手順
- 運休した鉄道会社の駅員に乗車券を見せ、「振替乗車票」を受け取る
- 振替輸送先の駅で、乗車券と振替乗車票を提示する
振替輸送の注意点
- 運休後に改札内に入場した場合のみ利用可能
- ICカードでの利用は対象外(IC定期券は可)
- 振替輸送の対象区間は限定的で、目的地まで利用できるとは限らない
「振替輸送」という手段があることを覚えておくと、運休時に役立ちます。
雪に強い電車:地下鉄の活用
雪に最も強い鉄道は地下鉄です。
特に東京メトロ銀座線は地上に出ることがないため、雪の影響をほとんど受けません。
ただし、混雑が激しくなる可能性が高いので注意しましょう。
雪で電車が使えない場合の代替手段と注意点
電車が運休した際には、他の移動手段を検討する必要があります。
それぞれの注意点をまとめました。
バスで移動
バスは大雪でなければ運行することが多いですが、運転が慎重になるため遅延が発生しやすいです。
早めにバス停に向かうと、長時間待つことになる可能性もあるので、防寒対策を忘れずに。
タクシーで移動
タクシーは便利な移動手段ですが、雪の日は混雑していてなかなか捕まらないことがあります。
また、渋滞に巻き込まれる可能性もあるため、途中で徒歩に切り替える覚悟も必要です。
車で移動
雪道に慣れていない場合、車での移動はリスクが高いです。渋滞やガソリン切れ、視界不良などのトラブルが起こる可能性があります。
必要であれば、他の人に送迎をお願いするのも一つの手です。
徒歩で移動
徒歩は最も自由な移動手段ですが、雪道では滑りやすいため注意が必要です。滑りにくい靴を選び、防寒対策をしっかりと行いましょう。
移動距離が長い場合は、無理をせずに目的地を変更することも検討してください。
宿泊の準備を検討する
大雪の場合、交通機関がほぼ全滅する可能性もあります。
移動が困難な場合は、近くのホテルに宿泊する選択肢も検討しておきましょう。
十分な防寒具や必要最低限の荷物を持っていると安心です。