映画『22年目の告白』は伏線や最後の真犯人など衝撃的な内容の連続で、鑑賞後に謎が残った人も多いのではないでしょうか?
特に牧村の妹・里香については、なぜ殺されたのか?口パクで何を言っていたのか等、初見では分かりづらい描写も多かったです。
里香はなぜ殺されてしまったのか、犯人はなぜ殺したのかについてまとめました。
※作品解説のため、ストーリーの大きなネタバレが書かれていますのでご了承願います。
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22年目の告白・里香はなぜ殺された?
映画『22年目の告白』でなぜ真犯人の仙堂は牧村の妹を殺したのでしょうか?
本当なら牧村の妹は牧村を殺す場面の目撃者になる人物。
これまでの殺人の流れ・殺害ルールからも外れているように感じられ、なぜ里香が殺されたのかが気になる・分からないという声も。
真犯人・仙堂がなぜ里香を殺したのかと、殺害ルールの矛盾について解説します。
里香の発言でつまらなくなり殺害した
犯人はなぜ牧村の妹を殺したのか?は劇中で真犯人である仙堂が説明をしています。
『里香が生きる気力を失くしたような発言をしたからつまらなくなって殺した』
というのが仙堂が里香を殺した理由になっています。
殺害ルール(第一ルール・第二ルール)と矛盾するのはなぜ?
『22年目の告白』で曽根崎が告白本に記した殺害ルールは次の3つになります。
- 被害者殺害の瞬間を、家族または被害者に親しい者に目撃させる
- ロープを使って絞殺する
- 目撃者は生かしておく
しかしながら里香殺害はこのルールに当てはまりません。
そもそも論になりますが、映画内で述べられている「殺害ルール」は、曽根崎雅人(真犯人ではない)が真犯人をおびき寄せ・あぶり出したり釣るためにある種の御託を並べたものです。
劇中で語られている「殺害ルール」の正体は、牧村と拓巳が真犯人の行動パターンを割り出した内容を語ったものであって、真犯人の仙堂がこの殺害ルールをどこまでこだわっていたかどうかは未知数で物語は進行していた状態です。
この「殺害ルール」が仙堂自身のルールで守っていたとしても、どこまで重要にルールに則っていたのか?殺害ルールを遵守していたのかは不明です。なので簡単にルール変更をして里香を殺しても仙堂にとっては些末な違いという認識だったり殺せるなら何でも良いという考えだった可能性があります。
曽根崎(牧村&拓巳)の目的は、真犯人の殺人行為(手柄)を自分のものにして誇示して挑発して真犯人が新たな行動を起こさせる等のあぶり出しを行うこと。
そのため曽根崎が勝手に殺害ルールうんぬん語る内容が、真犯人・仙堂がこだわっていたルールと違えば違うほど、挑発に成功しやすくなる&効果的でした。
まとめると、殺害ルールとは曽根崎が真犯人のパターンを「ルール」と勝手に語ったもののため、真犯人・仙堂自身が定義しているこわだり・ルールとは重きが違うため、矛盾していて当たり前…ということになります。
22年目の告白・牧村の妹里香の口パクの言葉は何?
真犯人・仙堂が捕まる際に、里香の口パクの言葉を伝えています。
「里香は最後に
『震災の時に死ぬべきだった。自分だけ幸せになってはいけなかった』
と言っていた。生きた気力をなくした人間を殺すほどつまらないことはなかった」
里香は鬱のような状態で心が沈んでいた状態でした。
悲しいことですが里香のこの生きる気力がなかった言葉は、真犯人にとって「つならないから殺した」という理由とともに「つまらないことはなかった」と言わしめるほどに一矢報いる言葉になってしまいました。