『レディ・プレイヤー1』(2018年)が注目される理由の一つは、スティーブン・スピルバーグが手掛けた映画で、ゲーム、音楽など、幅広いポップカルチャーを参照したイースターエッグ(隠し要素)の豊富さにあります。
驚くべきキャラクターのカメオ出演から、細かい参照まで、どれだけ発見できましたか?
本稿では、映画内で散りばめられたこれらの隠し要素を、様々なカルチャーを横断して徹底解析します。ガンダム以外にも、映画の中に仕込まれたさまざまなサプライズを発見する旅に出ましょう。
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レディ・プレイヤー1元ネタ:DCヒーロー/ヴィラン
ワーナー・ブラザース制作の映画には、同社が映像化権を持つDCコミックスの有名なヒーローやヴィランたちがカメオ出演します。
バットマン
映画の冒頭では、主人公のウェイドがVRゴーグルを装着し「オアシス」に飛び込むシーンでバットマンが紹介され、劇中いたるところにバットマンのマークが見られます。レースのシーンでは1960年代のバットモービルが登場し、ハリデー博物館にはゲーム『バットマン アーカム・ナイト』版のバットマンが展示されています。
ジョーカー
ジョーカーは、単独映画『ジョーカー』の大ヒットで再び人気を博し、映画『ダークナイト』のヒース・レジャー版に似たメイクと髪型で、帽子をかぶったスタイルで登場します。ナイトクラブのシーンや惑星ドゥームでのクライマックスバトルシーンで活躍します。
ハーレイ・クイーン
ハーレイ・クインもナイトクラブでジョーカーと踊ったり、アイロックが訪れるVIPルームにもいます。彼女の姿はゲーム『バットマン アーカム・アサイラム』に基づいているようです。
デスストローク
デスストローク、世界最強のアサシンはナイトクラブのシーンでハーレイ・クインと一緒に歩いている姿が見られます。実写映像作品では、「ARROW/アロー」や「TITANS/タイタンズ」に登場し、『ジャスティス・リーグ』でもカメオ出演しています。
デッドショット
デッドショットは『スーサイド・スクワッド』でウィル・スミスが演じた百発百中のヒットマンで、冒頭のバトルシーン、最終決戦に登場します。
キャットウーマン・バッドガール
キャットウーマンは最終決戦に登場、ジョーカーたちが駆ける同じ場面でバットガールも登場します。
スーパーマン
スーパーマンは、悪役ソレントのオアシス内でのアバターが、スーパーマンを思わせる姿となっています。また、ハリデー博物館でアルテミスが変装する姿は、クリストファー・リーヴ版のクラーク・ケントをイメージしています。さらに、スーパーマンの宿敵レックス・ルーサーのセリフも劇中で引用されます。
アクアマン・フラッシュ
アクアマンとフラッシュもクライマックスのバトルシーンで短時間登場します。バットガールとスポーンの後ろに隠れる形で加勢し、フラッシュはオアシス初登場シーンでも一瞬確認できます。どちらも、ゲーム『インジャスティス:神々の激突』のデザインに基づいています。
レディ・プレイヤー1映画の元ネタ
『レディ・プレイヤー1』の冒頭では、多数のカルチャーアイコンが登場し、その中には恐怖の象徴フレディ・クルーガーがエイチに襲いかかるシーンも含まれています。
13日の金曜日
ホラージャンルの代表格である『13日の金曜日』のジェイソン・ボーヒーズも登場し、彼のダイトウとの迫力ある剣戦闘は見物ですが、最終的には敗北を喫します。
スターウォーズ
『スター・ウォーズ』への言及も豊富で、パージヴァルがハン・ソロを彷彿とさせる装備を身につけ、「パダワン」や「ミレニアム・ファルコン」といった単語が飛び交います。
さらに、特定のシーンではX-ウイングが空を飛び、『シャイニング』のチャレンジでは『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』のポスターが登場します。物語のクライマックスでは、ウェイドの部屋にR2-D2のフィギュアが飾られているのを見ることができます。
この映画のヴィラン、ソレントを演じるベン・メンデルソーンは、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』でオーソン・クレニックという役柄を演じたこともあり、『スター・ウォーズ』シリーズとの深い繋がりがあります。
スター・トレック
『スター・トレック』も忘れてはならない要素で、ジェームズ・ハリデーの葬儀シーンでは、惑星連邦のシンボルやエンタープライズ号の花飾りなど、シリーズへのオマージュが見られます。
ET
ハリデーの子供時代の部屋は、『E.T.』のエリオット少年の部屋を思わせる装飾がされています。『E.T.』に登場するエリオットの兄マイケルが着用していたスペースインベーダーのTシャツは、ハリデー博物館に展示されているハリデーのものと同じデザインです。
マッドマックス
映画『マッドマックス』からは、伝説的なV8 インターセプターがレースシーンに登場し、パージヴァルの部屋にはこの映画のポスターが掲げられています。また、クライマックスの戦いでは、マックスが愛用するソードオフ・ショットガンが使用されます。
スピード・レーサー
『スピード・レーサー』のマッハ号もレースに参加し、その特徴的なヘアピンカーブが挑戦者たちを待ち受けます。
クリスティーン
ジョン・カーペンター監督によるスティーヴン・キング原作の映画『クリスティーン』からは、呪われた赤いプリムス・ヒューリーが登場します。
特攻野郎Aチーム
また、Aチームが使用する象徴的な黒いGMCバンもレースに加わっています。
ラスト・アクション・ヒーロー
ナイトライダー
エイチの作業場には、『宇宙空母ギャラクティカ』の伝説の戦闘機、コロニアル・バイパーが鎮座しており、バトルスター・ギャラクティカの精密な模型も展示されています。
2001年宇宙の旅
SF映画史に輝く『2001年宇宙の旅』からは、探索船ディスカバリー号に備えられた船外活動カプセル、スペースポッドがエイチのコレクションに加わっています。
カクテル
トム・クルーズがバーテンダーを演じた『カクテル』からは、「Cocktails & Dreams」のネオンサインが、エイチの作業場を彩ります。
ロード・オブ・ザ・リング
『ロード・オブ・ザ・リング』及び『ホビット』シリーズからは、偉大なる魔法使いガンダルフが、パーシヴァルとアルテミスの訪れるナイトクラブで宙に舞っています。
宇宙戦争
ソレントがオアシス世界に踏み入れた際には、『宇宙戦争』に登場する破壊の象徴、トライポッドが瓦礫の中に横たわっています。
フェリスはある朝突然に
『フェリスはある朝突然に』でフェリスたちの冒険を彩った1961年型フェラーリ250GTカリフォルニアスパイダーも、エイチのガレージに保管されています。
ブレックファスト・クラブ
ハリデー博物館の内装は、『ブレックファスト・クラブ』の高校図書館を思わせるデザインになっており、ソレントのパーシヴァルスカウト時の言及もその世界観を彷彿とさせます。
ブレードランナー
サマンサを救出する瞬間、ウェイドたちの瞳がオレンジ色に輝くのは、『ブレードランナー』のレプリカントへのオマージュであり、その世界観への敬意を表しています。
最終決戦の際、プレイヤーが集結する惑星ドゥームにおいて、パーシヴァルはラジカセを高く掲げます。この行動は、映画『セイ・エニシング』におけるジョン・キューザック扮するキャラクターの象徴的なシーンへの敬意を表しています。
シャイニング
映画『シャイニング』が二つ目の鍵を見つけるクエストとして選ばれています。
このサイコホラー映画はスティーブン・キングの作品で、スタンリー・キューブリックが監督を務めました。この映画の舞台となった呪われたホテルや、有名なシーンが細部にわたって再現されており、映画の雰囲気を色濃く反映しています。
チャイルド・プレイ
最終戦では『チャイルド・プレイ』のチャッキーが敵を次々と倒す姿が描かれています。リブート版も話題になったこのキャラクターは、包丁を振り回しながら活躍します。
スポーン
アメリカン・コミックのダークヒーローも参戦し、ジョーカーと共に戦います。スポーンの原作者トッド・マクファーレンは、スポーンが映画に登場するシーンを見て大いに喜んだことが伝えられています。
グレムリン
ジョーカーやスポーンの近くでは、変身したグレムリンも走っており、映画『グレムリン』に登場するギズモが入っていた箱も映画内で見ることができます。
これらの詳細は映画の中で忠実に再現されており、ファンには見逃せないポイントとなっています。
ターミネーター2
レディ・プレイヤー1映画の元ネタ:日本の作品
AKIRA
アルテミスが駆るバイクは、ポップカルチャーにおける永遠の憧れ、「金田のバイク」を模しています。このバイクのボディには、「ワンダーウーマン」のエンブレムや、「ミズ・パックマン」、「ハローキティ」、さらには「SEGA」や「TAITO」といったゲーム会社のロゴのステッカーが飾られています。
カウボーイビバップ
日本が誇るアニメ『カウボーイビバップ』からは、主人公スパイクの愛機、ソードフィッシュⅡがエイチの作業場でその姿を見せています。
トランスフォーマー
『トランスフォーマー』からはオートボットのリーダー、オプティマス・プライムが戦いに加わります。
三船敏郎
ダイトウのアバターは、日本の伝説的俳優、三船敏郎を模したもので、彼の映画的遺産への敬意を示しています。
ゴジラVSメカゴジラ
『ゴジラ対メカゴジラ』では、ソレントが操るメカゴジラが登場し、アイアン・ジャイアントを打ち倒し、放射熱線で攻撃する強敵として立ちはだかります。
機動戦士ガンダム
「機動戦士ガンダム」のRX-78-2が登場。メカゴジラとガンダムの夢の戦いがスピルバーグの手によって実現しました。ハリウッドでの実写化が噂される中、「レディ・プレイヤー1」で先駆けて登場する形となりました。
「俺はガンダムで行く」という名セリフを放つダイトウ/トシロウを演じた森崎ウィンは、この日本語のセリフを自ら考案しました。
スピルバーグ監督は、「戦いに挑むサムライのような、命を落とすかもしれない覚悟を持つ気持ち」を表現することを望んでおり、最終的に断言する形のセリフに決定しました。
サンリオキャラ
サンリオからハローキティ、バッドばつ丸、けろけろけろっぴといった人気キャラクターたちが登場しており、彼らが画面内で一緒に歩いている様子が描かれています。
興味深いことに、ハローキティに関しては、ワーナー・ブラザースによるハリウッド映画化の計画があるとのことです。
レディ・プレイヤー1元ネタゲーム:ストリートファイター
リュウ
リュウはレースの準備シーンで背中を見せ、他の強者との出会いを求めているようだ。アイテムショップでは彼の代表技「波動拳」「昇龍拳」「竜巻旋風脚」が販売されており、クライマックスでは「波動拳」が使用される。
春麗
春麗はナイトクラブでのシーンやクライマックスバトルで、彼女の得意な蹴り技を披露している。
ブランカ
ブランカはナイトクラブで春麗とダンスを楽しんでおり、電撃を使ったパフォーマンスが注目される。
エドモンド本田
エドモンド本田は、序盤の惑星ドゥームでのアイテム争奪戦に登場し、クライマックスでは「百裂張り手」を駆使して敵陣に突入する。
サガット
ムエタイの達人サガットも、最終決戦でその勇猛な姿を見せつける。
レディ・プレイヤー1元ネタ:ゲームの小ネタ
マインクラフト
この映画の中で初めて目にするゲーム関連の「小ネタ」として、『マインクラフト』が挙げられます。OASISへと入っていくウェイドのシーンで、そのタイトルロゴが prominently featuredされています。
ソニック・ザ・ヘッジホッグ
『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』のキャラクターも、その初の実写映画『ソニック・ザ・ムービー』公開に合わせて、映画内で短い登場を果たしています。彼はOASISの世界で一瞬姿を見せ、最終決戦のシーンでは、敵に向かって丸くなって体当たりをする様子が描かれています。
スペースインベーダー
『レディ・プレイヤー1』の世界では、創設者ハリデーの年鑑アーカイブで2029年のハリデーが『スペースインベーダー』のTシャツを身に纏っているシーンや、エイチの作業場に『スペースインベーダー』をモチーフにしたカーテンがあるなど、クラシックゲームへのオマージュが見受けられます。
ダンジョンズ&ドラゴンズ
アメリカで根強い人気を誇るテーブルトークRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』は、アイテムショップのブースに登場し、パーシヴァルが結束を呼びかけるシーンで「惑星ガイギャックスのガンターを見習え」という言及があります。これは、『ダンジョンズ&ドラゴンズ』の生みの親であるゲイリー・ガイギャックスへの言及です。
ボーダーランズ・HALO
アイテムショップには、人気FPS『ボーダーランズ』のブースが設けられており、『HALO』からはアサルトライフルやロケットランチャーなどが登場します。最終決戦にはマスターチーフ率いるスパルタン部隊や、宗教連合コヴナントの出撃も描かれています。
トゥームレイダー・Gears of War
映画化もされた『トゥームレイダー』からは、冒険家ララ・クロフトがレース前やナイトクラブ、最終決戦のシーンで確認できます。また、『Gears of War』からはディジーがララ・クロフトと会話する場面や、ランサーアサルトライフルなどの武器が使用されています。
オーバーウォッチ
オーバーウォッチの勇士、トレーサー クライマックスの戦いに参加するゴーグルをかけた女性は、人気アクションシューティングゲーム『オーバーウォッチ』からのトレーサーである。
007ゴールデンアイ
007ゴールデンアイのFPS世界 NINTENDO64で人気を博した『007 ゴールデンアイ』のFPSゲームは、ジェームズ・ハリデーが特に愛したゲームとして描かれ、彼はゲーム内でオッドジョブキャラクターを愛用していた。
メトロイド
メトロイドのヒロイン、サムス・アラン ハリデー博物館の展示には、宇宙を駆けるハンター、サムス・アランを紹介する『メトロイド』の日本版ポスターが飾られている。
バイオショック
バイオショックの深海からビッグダディ登場 深海の世界『バイオショック』から、恐るべき敵キャラクター、ビッグダディが最終決戦に現れる。
モータルコンバット
モータルコンバットの熱狂 暴力的な演出で知られる格闘ゲーム『モータルコンバット』からも、ゲームのアイコンである4本腕のゴローや、伝説の戦士ライデン、サブ・ゼロ、スコーピオンが登場。
また、トレジャーハントの最後には、ゲームの象徴的なヘビのオブジェが守るエッグや、キャラクターピンを付けたダイトウの姿が描かれている。
スーパーマリオカート
カーチェイスの一幕では、ヘレンが軽妙に「これがマリオカートのトレーニングかい?」とジョークを言う場面があります。
スーパーマリオ64
映画のクライマックスでハリデーが遺した言葉は、NINTENDO64の名作『スーパーマリオ64』をクリアした後のマリオのメッセージを彷彿とさせるものであるかもしれません。
レディ・プレイヤー1元ネタ:音楽・BGM・挿入曲
ヴァン・ヘイレン
1980年代を彩ったロック界の伝説、エディ・ヴァン・ヘイレンのヒット曲「ジャンプ」は、この映画の予告編にも取り上げられ、冒頭シーンでの背景音楽として流れる。
ティアーズ・フォー・フィアーズ
1985年にリリースされた「ルール・ザ・ワールド」は、映画の開始部分、ハリデーとモローを紹介するシーンで使用されています。この曲は、「世界を支配したい」というテーマをノスタルジックに歌い上げる。
ジョアン・ジェット & ブラックハーツ
レースが始まるシーンで、「アイ・ヘイト・マイセルフ・フォー・ラヴィング・ユー」が力強く演奏されます。
a-ha
ノルウェー出身のシンセ・ポップ・グループ、a-haの「テイク・オン・ミー」は、そのミュージックビデオがコミック世界への入口という点で、映画の「オアシス」と共鳴するテーマを持っています。
この曲はハリデーのお気に入りとして紹介され、ウェイドとサマンサがIOIの追跡から逃れるシーンでは、このビデオの展開を彷彿とさせます。
プリンス
エイチが作業場で「ウォナ・ビー・ユア・ラヴァー」を背景音楽にしています。
また、パーシヴァルがアルテミスとのデート前に「パープル・レイン」のジャケットを試着する場面もあります。
テンプテーションズの調べ
エイチの作業場では、「ジャスト・マイ・イマジネーション」が流れ、そのソウルフルなメロディーが響き渡ります。
アース・ウインド&ファイアーのリズム
「ユー・キャント・ハイド・ラブ」は、アルテミスとのデートの準備シーンで流れ、2人の間の隠しきれない恋心を描く名曲として劇中のムードを高めます。
マイケル・ジャクソン
パーシヴァルは、このシーンでマイケル・ジャクソンの「スリラー」にちなんだ赤いジャケットを着用し、ゾンビのダンスを披露している。
デュラン・デュラン
同じく、デュラン・デュランにインスパイアされた衣装が登場し、ポップカルチャーに疎いソレントは「タブを飲みながらデュラン・デュランを聞き、ロボトロンをプレイすることが至福」と語る。
ニュー・オーダー
ナイトクラブで「ブルー・マンデー」が流れる一方で、ウェイドの隣人である中年女性が映画終盤でニュー・オーダーの「テクニーク」Tシャツを着用。彼女は序盤でポリスの「シンクロニシティ」Tシャツを着ており、音楽に詳しいことがうかがえる。
ビージーズ
ディスコの象徴、ビージーズの「ステイン・アライブ」は、ナイトクラブでアルテミスと踊るパーシヴァルが自信を持って選ぶ曲。アルテミスは「定番だわ!」と反応する。
ブルース・スプリングスティーン
ブルース・スプリングスティーンの1984年のヒットアルバム『ボーン・イン・ザ・U.S.A.』から「スタンド・オン・イット」が、パーシヴァルがレース勝利後にストアで買い物をするシーンに流れる。
ブロンディ
ブロンディの「どうせ恋だから」は、有名になったパーシヴァルが二つ目の鍵を見つけるためハリデー博物館を訪れる際に使用される。最近ではワン・ダイレクションによるカバーでも人気を博している。
トゥイステッド・シスター
最終決戦でパーシヴァルが力強くラジカセから流すのは、トゥイステッド・シスターの「ノット・ゴナ・テイク・イット」である。
ダリル・ホール&ジョン・オーツ
エンドロールではダリル・ホール&ジョン・オーツの「ユー・メイク・マイ・ドリームス」が流れ、観客を楽しませる。