浅見光彦シリーズ「平家伝説殺人事件」のドラマ感想と原作との違い、結末などを紹介します!
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浅見光彦シリーズについて
どうも、浅見光彦の原作を読み始めている三神かな子です!
2時間ミステリー系が好きなんです!!
そんなわけで!今回の記事はこちら!
5月21日(月) よる8時 月曜名作劇場『内田康夫サスペンス 新・浅見光彦シリーズ 平家伝説殺人事件』3時間SP https://t.co/ItQHmy75jz
#吉川愛 pic.twitter.com/7texwbPGr5— Clover (@cloverloverover) 2018年5月19日
TBS系の月曜名作劇場「内田康夫サスペンス 新・浅見光彦シリーズ 平家伝説殺人事件」について!
タイトルにも入っているとおり、内田康夫氏原作の「浅見光彦シリーズ」から、平家伝説殺人事件がドラマ化!
ネタバレしつつ、ドラマと原作の違いをまとめつつ、感想をまとめていきたいと思います!
ドラマ「平家伝説殺人事件」出演者・キャスト
浅見光彦:平岡祐太
言わずと知れた主人公。フリーのルポライター。兄は警察庁の偉い人。
浅見雪江:竹下景子
浅見の母。
浅見陽一郎:石丸幹二
浅見の兄。警察庁の刑事局長を務める。
稲田萌子:矢田亜希子
稲田教由の妻。なんか怪しい。
稲田教由:窪塚俊介
萌子の夫。
稲田佐和:吉川 愛
今作のヒロイン。平家末裔の直系。美少女。
当山林太郎:丸山智己
川島警部:ダンカン
橋本克也:金田明夫
稲田広信:篠田三郎
教由の父であり、佐和の祖父。
「平家伝説殺人事件」ドラマと原作のあらすじの違いは?
ドラマ版「平家伝説殺人事件」のあらすじ
ルポライター浅見光彦は取材のため平家落人の隠れ里、高知県四万十へと旅立った。平家の末裔、稲田佐和とその祖父・広信に出会った光彦だったが、まもなく佐和の叔父・教由が、フェリーで転落死していたと凶報が届く!さらにその教由には多額の保険金がかけられていて、受取人は妖艶な妻・萌子だった。これは単なる事故ではない?事件の謎を掴みかけた光彦だったが…あざ笑うかのように魔の手が忍び寄り、新たな殺人事件が起こる…
原作「平家伝説殺人事件」のあらすじ
豪華フェリー「しーふらわー号」から転落行方不明になった男と現場にいた謎の男。二年後、その謎の男が自殺をとげた事が航海士・堀ノ内に不審をいだかせた。彼は親友で名探偵として活躍している浅見光彦にこの二つの事件を相談した。事件の鍵が高知の平家落人の里にあると突きとめ高知の「隠れ里」に向かった浅見の前に現われた美少女・佐和。彼女に魅せられ恋心を感じる浅見。だがその佐和にも恐怖の魔手が…。浅見の恋と名推理。
原作・ドラマの違いは?
原作では、フェリーの転落死は2年前、当山の落下事件(自殺?)は比較的最近、フェリーの航海士で浅見の友人・堀ノ内が浅見に相談することで、浅見は高知へ向います。浅見は過去の事件と現在の事件の2つを交錯して解き明かしていきます。
さらにいえば、原作ではメインとなる平家伝説、平家落人の隠れ里の舞台は「西土佐村藤ノ川」とピンポイント、殺人事件の絡みはそこまでありませんし、歴史ロマンに深く追随する場面はほとんどありません。むしろ伊勢湾台風についての内容が濃いです。
しかしドラマでは事件や高知へ行く時系列が入れ替わり、全ての事件がリアルタイムで取り扱われるようです。予告編を観ると着物姿やヒロインが笛を吹く等の場面があり、平家伝説の舞台となる場所は原作時以降に合併等があり「四万十市西土佐藤ノ川」と住所が変わっています。平家伝説を色濃く打ち出す内容にするのでは?と考えられます。
原作「平家伝説物語」の真犯人とネタバレ!
原作のネタバレ詳細は別記事で紹介しています!
原作を詳しく知りたい方はこちら!!
結論だけを以下書きますので、引き返すなら今のうちです!!
別の記事や、動画の無料体験などいかがでしょうか?
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……それでは、以下ネタバレしますよ!!
真犯人は、
伊藤善幸です!!
誰やねん!!
名前ないじゃん!!
ってツッコミが入りそうです。
ドラマ版のキャスティングにはない役名なので。
それもそのはず。
稲田教由として振る舞っていた男、の本名が、伊藤善幸になります。
ドラマの役柄でいうと、窪塚俊介が犯人!!
原作では、伊藤は当山という男から保険金詐取を持ちかけられ、「稲田教由」になりすます。
さらに当山が「スカウト」してきた多岐川萌子と「稲田教由」として”結婚”、「稲田教由」に多額の保険金をかけ高速フェリー「しーふらわー」で「稲田教由」を転落事故に装う。
当山・萌子ももちろん協力。伊藤自身は元の生活に戻りつつ潜伏。
本当の稲田教由は当山の無二の親友で、少年時代に2人で村を抜け出して名古屋に向かう途中に台風に遭いとうの昔に命を落としていた。
以来、当山は贖罪の人生を歩んでおり、稲田の実家の不幸をきっかけに保険金詐取を計画。保険金の一部を稲田家に送るつもりだったが、萌子の裏切りで予定どおりの金額を送れず、萌子に「全てをぶちまける」と脅していた。
萌子にそそのかされる形で伊藤は当山を自殺にみせかけた密室トリックを仕掛ける。
伊藤は萌子の色香におぼれていたものの保険金の伊藤分の分け前もネコババ状態、感情は憎しみに代わり、佐和に罪をなすりつける形で萌子を殺害した。
さらに!
ここから先はドラマ版の詳細が長文で書かれています……
「ドラマの真犯人・ネタバレだけを真っ先に知りたい!」
という人は、
こちらのページにワープしてください!
「平家伝説殺人事件」ドラマの詳細ネタバレ!
(随時内容を更新中!)
深夜、竹やぶの中を走り回る男女、男の手には鞄が。
狐のお面をして松明を持った男たちに崖っぷちまで追い詰められる。
その様子を見ていた2人の少年。
追われていた男女は抱き合いながら崖の下へ飛び降りていったーー
東京ーー
浅見家では変わりない朝を迎えていた。
浅見光彦は平家の隠れ里・高知県四万十へ向かう用意をしていた。
「平家の末裔のお姫様がいるかもしれないわね」と母・雪江から、家族がロマンスが!結婚相手を期待してるぞ!等の話が膨らむ。
くれぐれも事件には首を突っ込まないように母・雪江に注意される、いつもの浅見家であったーー。
#平岡祐太 主演シリーズTBS 21日「#内田康夫サスペンス 新・浅見光彦シリーズ 平家伝説殺人事件」予告動画 – ナビコン https://t.co/CajT5Qyhdg#浅見光彦 #竹下景子/#石丸幹二/#矢田亜希子/#古川愛/#篠田三郎/#ダンカン/#丸山智己/#窪塚俊介/#金田明夫 #月曜名作劇場 pic.twitter.com/hwbCpoCDRI
— ナビコン-韓ドラここが知りたい (@navicon_kandora) 2018年5月20日
フェリーのデッキで海を眺めて佇む浅見に、声をかける男性が。
定年退職で去年亡くなった女房の故郷へいくという「橋本カツヤ」という男性。
浅見の名前をきくと、橋本はなんとも言えない反応をする。
2人で船内を歩いていると、1組の新婚カップルが。
夫は酔ってよろめき、妻は夫の実家・藤ノ川に行くので緊張しているというーー。
酔っ払った夫は風に当たるとデッキに出ていく。
それを見送る妻「こんな私にもやっと春がきたのかなって思います」
デッキに出た夫はーー意味ありげに佇んでいたーー。
高知県四万十川ーー日本最後の清流と言われているーー。
浅見は四万十の道を歩いていると、どこからともなく笛の音が。
笛の音につられていく浅見。そこには白い服の美しい少女が横笛を吹いていた。
この後よる8時からは、月曜名作劇場『「内田康夫サスペンス 新・浅見光彦シリーズ 平家伝説殺人事件」』。
原作者・内田康夫さんを偲ぶ不朽の名作! 日本最後の清流・四万十川沿いにある平家の隠れ里に潜む宿命とロマンス。愛と憎しみの果て…謎の連続殺人事件に光彦が挑む3時間SP! #tbs pic.twitter.com/YaiYDROTqL
— TBSテレビ 宣伝部 (@tbs_pr) 2018年5月21日
少女に気が付かれて、声をかけ、道を訊ねる浅見。
しかし少女は逃げてしまう。
「怪しいものじゃありません」
といいながら追いかける浅見。いつしか森林に迷い込む。
途中、あげは蝶、平家の家紋が入ったつげ櫛を拾う。
あたりに霧が立ち込めたかと思うとーー
浅見は血まみれで倒れている武者を見つける。その向こう側には着物姿の女性が自害しようとしている姿が
「父上、母上、いま、そちらへ参りますーー」
「姫!何をなされる!!」
家来たちが止める。
「姫亡くして、平家の再興はありえません!」
「来たぞ!追手じゃ!」
「姫を頼む、ここはわしが!ーー姫、平家再興をお頼み申します」
「父上ーーっ!!」
今から800年以上前、日本を二分する戦があったーー
源平の戦い、壇ノ浦の戦いで平家は破れたーー。
いつのまにか幻影は消え、浅見の手からつげ櫛も消えていたーー
「月曜名作劇場《内田康夫サスペンス 新・浅見光彦シリーズ【平家伝説殺人事件】》」を観てるなう‼ #tbs #内田康夫 #浅見光彦 #浅見光彦シリーズ #平家伝説殺人事件 #月曜名作劇場 pic.twitter.com/YjxD7XwvsA
— 基 (@moto0204) 2018年5月21日
浅見は古びた石造りのトンネルを進んでいく。
『帰れーー叩ききるぞーー』
トンネルの出口に、釜をもった装束着の男性が!
思わず元来た道を逃げる浅見。
「二度と孫娘に近づくな!」
「決して、つきまとっていたわけでは……」
傍らには先程の少女が。
装束着の男性は稲田広信。
稲田朝臣忠信の子孫という。
先程の少女は稲田広信の孫・佐和という。
母が稲田朝臣忠信の直系の家の出ということで、佐和は平家のお姫様ーー。
稲田朝臣忠信をまつる神社でお参りをしていると、佐和は突然「浅見さんって、彼女いませんよね」「やっぱり!」
稲田家に到着すると、地元のお母さん方がごちそうを持って集ってきた!
天然のうなぎ、鮎の塩焼き、アオサの天ぷらーー!
広信も佐和もお母さんがたも、にこやかに浅見を見守っている。
そんな中、広信は落ち着きがない。
息子が女房を連れて帰ってくるというのだ。
どうやら浅見がフェリーで会った夫婦と同一人物のようだ。
浅見がフェリーでの様子を伝えると、広信はどこか嬉しそうだった。
しかし、駐在所の警官が稲田家に飛び込んでくる。
息子・教由がフェリーで転落事故に合ったかもしれないというーー。
悲しみと怒りに震える広信ーー。
稲田家に掛けられた狐の面がその様子を見守っていたーー。
浅見は村の景色を眺めながら、フェリーでの稲田夫婦の様子を思い出す。
佐和が浅見に寄る。
浅見は取材を終えたので帰るというが、佐和は最終バスはないし、宿も近辺にはないと伝える。
浅見は稲田家に宿泊することに。
部屋で執筆をしている浅見に水を差し入れる佐和。
おのずと教由の話になる。
佐和は叔父の教由に会ったことがないという。
佐和の両親は、父は幼稚園の時に亡くなり、母は佐和が生まれた時になくなった、と何か含んだような言い方だった。両親はいないものの、近所の人たちはまるで家来のようにお世話をしてくれると話す。
「でもそんな昔のこと、関係ないのに……」とどこか寂しそうな佐和。
翌朝。
バス停に行く浅見と佐和。
時刻表を改めてみると、本当は最終便があったことを知る浅見。
名残りおしそうな佐和。
浅見「いつか、また会えるといいですね」
「会えます!」と強く言い切る佐和だった。
灯台のある堤防。
喪服姿の萌子の姿があったーー。
制服姿で礼をする船員たちーー。
しばらくして、警察は稲田教由をフェリーからの転落死と認定した。
浅見は稲田夫婦が住むアパートに足を運んでいた。萌子は不在で、帰り際、近くの公園で子どもたちとサッカーをしている楽しそうな萌子の姿があった。
改めて稲田夫妻のアパートに行く浅見。
「まさかこんなに早く、未亡人になるとは思わなかったわ」
明るく夫の遺影に語りかける萌子はこれから「お仕事」だという。
浅見に同伴を誘うも浅見は断り帰ることに。
「さようなら」
浅見にお礼を言う萌子。
互いに複雑な表情の2人だったーー。
浅見家に来客がーー佐和だった。
母雪江と兄嫁と仲良く談話する佐和。
佐和は浅見に大事な話があるという。
「やっぱりまた会えましたね……会いにきちゃったんですけど」
と言ってから、本題を切り出す佐和。
教由の妻・萌子から、稲田広信へ5000万円が送られてきたという。
藤ノ川の振興に使ってほしいと……。
こんな大金は受け取れないと広信に代わって佐和が状況、萌子に会おうとするものの、なかなか会ってもらえない。
さらに稲田家に保険会社の調査員がやってきた。教由の保険金として佐和が1億5000万円を受け取ったというのだ。
浅見は萌子がいると思われる公園に佐和を連れていき、萌子を会わせる。
藤ノ川でそんな大金があってもーー
生意気なことを言わないでと言う萌子。
「そもそも、お金があって困ることがあるのかしら?」
田舎のお嬢様だから分からないかもしれないけど、東京では信じられるのはお金だけなの。
辛辣な言葉ばかりを佐和に投げかける萌子。
「お金、お金の世の中なの」
そんなに威張らないでください、もともとおじさんの生命保険のお金じゃないですか。
そう萌子に食いつく佐和。
さらに萌子は反論する。
いくら教由に私がつぎこんだと思ってるの?売れない作家だった教由を支えてきたという萌子。
さらに佐和も反論、そういう人でも好きになったじゃないの?
「佐和さん、あなたいくつでしたっけ?もう少し大人になったら男と女のことも分かるかもしれないわね。
光彦さん、すこし教えてあげたら?」
保険金は教由が勝手に契約したのだという。
萌子が立ち去った後、悔しく傷ついた顔をしている佐和。
「何か言って下さい……」
答えられない浅見に「じゃあ東京デートしてください」という佐和。
オシャレなカフェに行き、2人で食べたこともないオシャレなパンケーキを目にしてどう食べたらいいのか戸惑う2人は笑いあった。
ウィンドウショッピングを楽しむ佐和に女性とのデートに慣れない浅見はタジタジ。
東京の夜景を一望する2人。
「すごいな……こんなの見たら帰れなくなっちゃう……」
東京へ出たいと思う教由おじさんの気持ちが分かるという佐和。
でも一人じゃ暮らせない、おじさんは一人で心細かったかもしれないという佐和。
やっぱり、おじさんを殺したのは萌子なのでしょうか?
全てはお金、という萌子の発言で疑っている佐和だった。
浅見家にお世話になっている佐和は、雪江たちとともに生花をたしなんでいた。
買い物から戻ったお手伝いさんは「外に不審な男がいる」と言い、浅見が見に行ってみると、不審者の正体は橋本だった……。
橋本は浅見に話があって訪れたものの、恐れ多くて中に入れなかったという。
元刑事だという橋本。
私ごときが入れる家ではないと遠慮する橋本は雪江に声をかけられて逃げてしまう。
追いかけていくと、橋本はフェリーで会って名前を聞いたときから刑事局長の弟で名探偵だと知っていたという。
「兄は兄、僕は僕ですので」という言葉を聞いただけで感激している橋本。女房が生きていたら喜んでいたと思うと感無量の橋本。
用事というのは、高知に向かう途中で会った新婚夫婦のことだった。
橋本は昔の同僚から多額の生命保険の話を聞いて、多すぎると刑事の勘が働いたようだったーー。
浅見とともに蒲田中央警察署にやってきた橋本。
入り口から出てくる若い男性に声をかける橋本だったが、ワケアリの様子。
橋本の問いかけに、いい加減にして下さい!事故と処理したと怒る。
若い刑事のようだーー。
実は、若い刑事は橋本の息子。
仕事仕事で家族孝行をしてなかったことを息子は怒っているのだという。
橋本は、浅見も妹を亡くされているのにいつも明るくされていて立派だと言う。
「妹が、メソメソするなって言ってるような気がするんです」
「良い妹さんですね」
「ええ、良い妹でした……」
稲田夫婦は仲は悪くない夫婦だったという。萌子の様子から切なさを感じていた浅見だった。
佐和の見送りで空港にいる2人。
佐和の話では、教由が村を出たのは11歳のときだったという。
当山林太郎という14歳の少年を慕って一緒に村を出たという。
なぜそんな少年たちが村を出ようをしたのか?
佐和は言いよどみながらも「分かりません」と答える。
20年来音信不通だった教由から手紙があり、妻を連れて帰ってくるはずだったのにーー
教由が電話で「名古屋にいる」という連絡を受けてから音信不通だったーー
当山林太郎という男にも連絡がとれない状態なのだというーー
飲み屋街ーー
スナック「サルート」を訪れると、お客とケンカをして店を飛び出してきた萌子に会う。
萌子に当山林太郎という人物について聞くと、教由からも聞いてない、知らないという。
もう一稼ぎと店に戻る萌子を送る浅見。
「なぜまだ働くのって思うでしょう?」「夫の大事なお金だから、まだ手を付けていない」という萌子。
「それでも、私が教由を殺したと思う?」
浅見に質していると、店のママに呼ばれて店内に戻っていく萌子。
その後、スナック「サルート」の近くに喫茶店「藤ノ川」があることに気づいた浅見は店へ足を伸ばすのであったーー。
喫茶「藤ノ川」に入り、コーヒーをオーダーする浅見。
店の名前と藤ノ川についてと、四万十川で稲田家のこと、教由について話をしながら、名乗る浅見ーー。
「当山林太郎さんですよね?」
「すみませんが、もう閉店なんで」
それしか言わないマスターだった。
店を出る浅見。
店内で物思いに耽るマスターだった。
サルート閉店後ーー
喫茶「藤ノ川」に立ち寄る萌子。
「君が言っていた、浅見光彦という男が店にやってきた」
そう告げるマスター・当山。
後ろから抱きつく萌子を振りほどく当山。
萌子「当山さん、何が面白くて生きているの?」
当山「やるべきことがあるから生きている」
萌子「やるべきこと、もうやったんじゃないの?」
当山は萌子にコーヒーを出す。
萌子「だったら、私もやるべきことをやるわ」
再び稲田夫婦のアパートに行く浅見。
「私を疑うのはかまわないけど、あちこち疑うのやめてくれる?」
稲田家が受け取った5000万円は金額が多すぎると浅見が言うと、萌子はあちこちかぎまわる浅見が保険金をせびりにきたと言ってくる。否定するものの、萌子は聞かず、部屋の奥から男2人が現れる。
警察だという。
「二度とつきまとわないで」と冷たく言い放つ萌子。
浅見は警察に連行されていくーー。
あらぬ疑いで警察で聴取を受ける浅見。
偉そうで態度悪い警官2人が浅見に噛み付くが、「光彦の兄」という電話からの電話。
(お決まりのコントですね☆)
態度がコロッと代わる警官たち。
警察署から出ていくときーー
刑事(橋本の息子)に
「橋本さんは肩書にとらわれない、真正直で熱い人で、そんな橋本さんを尊敬しています」
と伝える。
橋本とともに静岡・萌子の実家へ行く浅見。
萌子の母に話をきこうとすると、娘をケチ呼ばわりして激怒する萌子の母。
生命保険を1億以上ももらっても一銭もよこさないという。
萌子の父は失踪。女手一つで苦労して萌子を育てた、借金2000万円を返したという萌子の母。
萌子の父の借金のほとんどは萌子が学生時代に働き尽くめ、スーパーと夜の店で働き尽くしで返したという。
しかし萌子の母はあの子のせいで世間から冷たい目で見られたと憎んでいる。妹夫婦の様子から、萌子には故郷に帰れない悲哀を感じる2人だった。
橋本の息子から連絡があり、何かの参考になるのではとフェリーの乗船名簿のコピーを渡してくれた。
刑事じゃないのに首を突っ込むなと憤る息子。
橋本は一市民になったとしても犯罪は見過ごせない、息子にお礼と一礼をする橋本。
息子は思うところがあるものの、浅見にお礼を言って立ち去る。
フェリーの乗船名簿の中に「当山林太郎」の文字があったーー。
当山と萌子の共犯なのか???
喫茶「藤ノ川」は準備中ーー
川辺でタバコを吸っている当山の前に浅見が現れる。
教由は小5のころ、兄のように慕う14歳の少年についていき東京を目指していたという。
「浅見さんは大事な人を失ったことはありますか?」
「僕は、妹をーー」
「妹さんをーー。そうでしたか」
教由は子どものころから当山を慕っていたという。何をするにも後をついてくるかわいい奴だったという。
村を出たのは「あること」があり、嫌になったのだとう。
村を憎み、こんな村には一日たりとも居たくないと一人出る覚悟をしていると、教由が「僕も行く!」とついてきた。どんなに当山が拒んでも必死に後をついてくる教由。それで仕方がなくーー。
電車代も途中分までしかない、さらに教由の分もーーでも村には帰れない。歩いてでも東京に行こうと必死だった。
でも東京に出てみて、藤ノ川の古いしきたりは互いを守るルールと分かったーー。
離れてみて分かる、それが故郷ーー。
それが萌子の故郷はーー帰れる故郷がないというのはつらいことだ、と語る当山。
「萌子にこれ以上つらい思いをさせないでいただきますか?
萌子は、教由を、殺したりはしません。
教由を殺したのは、私です」
河原には萌子も来ていたーー。
夜の喫茶「藤ノ川」ーー
当山「彼はもうすぐ全てを見抜く」
萌子「浅見光彦ーーどうするの?」
当山「14のときから、覚悟はできていた」
萌子に心から俺に笑ってみせろ、という当山。
「その言葉、貴方に返すわ」
思えば誰も幸せにできない人生だった、という当山。
私はあきらめない、この手で幸せを掴んでみせるーー「貴方に、覚悟なんてさせない」という萌子だった。
翌日ーー
当山の遺体が見つかる。鋭利な刃物で胸を一突き、即死だった。
夜の街、浅見は兄・陽一郎に会い、事件関係者を死なせてしまったと兄に謝る浅見。
「光彦らしく、信じた道をいけ」
兄の言葉に決意を新たにする浅見。
そこに橋本が駆け寄る。陽一郎に浅見の事を頼まれた橋本。
橋本は刑事局長に頭を下げられたことに感激して涙。
当山の遺体発見場所に足を運ぶ浅見と橋本。
そこには花を供える萌子の姿があった。
お辞儀をする浅見たちに、萌子は目を合わせない。
稲田家に5000万円のお金を送ったのは当山だと判明。
当山は何かあれば「藤ノ川」のことばかり……。
だったらお金を送ったら?といったから送ったんじゃないかという。
萌子は当山を愛しながら教由と結婚したという。
当山は「一生幸せになっていけない」と言っていたーー。
浅見は、萌子は当山を手に掛けることは絶対にないと告げると、萌子はそう、と答える。だって夢はーーお嫁さんになること。
「稲田教由さんは、まだ生きているのではないですか?」
萌子に問いかける浅見。
目をそらす萌子。
教由はフェリーに乗っていた当山の車のトランクに身を隠し、転落した風に思わせた。
転落死したことにして、当山、萌子、教由の3人で生命保険1億5千万円を手に入れた。
1人分5000万円ーー。
しかし萌子は反論する。
私は夫が死んだと言ってない。
警察が勝手に死亡と判断した。
保険金だって私がほしいと言ったわけじゃない。
携帯電話が鳴るーー萌子の携帯電話。
しかし、出ない。
「教由さんからですか?」
電話の音が鳴り響く中、萌子は黙って浅見たちの前から立ち去ったーー。
教由は生きているーー。
ひたすら故郷を思う当山が仕組んだ保険金詐欺。
萌子は故郷はないものの、当山を思うゆえに乗ったのではと考えている浅見。
だとしたら、一体、誰が当山をーー?
橋本の息子情報によると、
稲田教由は村を出てからの痕跡が一切なく、存在が確認できたのは萌子と一緒にアパートに住み始めてから。さらに稲田は翻訳の仕事をしていたようだが、出版社では「稲田教由」という人物と仕事をしたことがないというーー。
浅見は飛び出し、残された橋本親子はお酌をして対面(笑)。
再び高知・藤ノ川へ。
浅見に会うやいなや、教由について矢継ぎ早に質問をする佐和。
「佐和さん……僕を信じてくれませんか?」
「……はい」
紙すきをしている稲田広信に会いに行く浅見。そこには母・雪江の姿がーー!
雪江は稲田広信のことを知っていて、有名な紙すき職人なのだという。書道でいつも広信の作品を使っていたとか。
稲田家の食卓にはカツオのたたき、「さわち料理」一皿に色んな料理が乗っている料理ーーなどが広がっていた。
四万十川の屋形船に乗る浅見親子と佐和。
母・雪江は、佐和の母の事情について見抜く。仏壇に佐和の母の遺影がなかったからという。
「母は、駆け落ちしたんですーー」
佐和は重たい口を開いた。
佐和の母は、決められた人と結婚しなければならなかった。
本当は好きな人がいたが、決して一緒になれない定めだという。
佐和の父と結婚、佐和を生んだ。
その後、祭のあとの夜に駆け落ちをしたものの、村の人々に追いかけられーー
(ドラマ序盤に続く)
飛び降りた。
母と愛し合ったその人は、当山林太郎の兄だという。
だから当山林太郎は……。
生まれたばかりの私を置いて駆け落ちした母。
だったら結婚しなければよかったのに。
そう言う佐和に「そうね、確かにひどいお母さんね」と佐和に同調する雪江。
「でも、私は、あなたのお母さん、嫌いじゃないわ」
ですよね、と佐和。
佐和は泣きながら場を離れ、浅見は(雪江に背をおされ)佐和を追う。
遠くには広信の姿があった。
浅見と佐和が出会った滝の前ーー
浅見は佐和の悲しみを受け止めようとする。
浅見は佐和を抱きしめ、佐和は浅見の胸で号泣した。
神社で手を合わせる広信と雪江。
平家の隠れ里を守らなければならないという思いで、佐和の母たちの命を奪ってしまったと告白する広信。それでも守らなければーー。
雪江はそんな広信の話を広く受け止めていた。
浅見と佐和が四万十川・沈下橋に行くと、萌子の姿が。
橋のことを「あの人」に聞いていたという。
萌子は佐和にお願いして、村の小学校を案内してもらうことに。
「あの人」から聞いた小学校の思い出を一つ一つ確認していく萌子。
「あの人」は私のことより、いつも故郷の話ばかりーーだから悔しいから見に来たのだという。
「やっぱり、かなわないかな……」
浅見が改めて教由の事を聞くと「知らない」という萌子。
萌子は佐和に「ごめんなさい」と謝る。
「お金がなくても幸せはつかめるわ」
「私がそんなことを言わなくても、あなたならできるわよね」
萌子に故郷のことをほめられ、「ありがとうございます」という佐和。
当山のために、もうこれ以上詮索しないでほしいと浅見にお願いする萌子。
「教由はどこかで生きている、もうそれでいいじゃない」
そう言い残して立ち去る萌子だった。
浅見は邂逅する。
当山「教由を殺したのは私です」
萌子「教由は生きている。それでいいじゃない」
佐和の言葉ーー
浅見は図書館の資料、新聞の縮尺版から何かを探し出そうとしていたーー
その中で、1つの記事を発見する。
当山少年と教由少年が村を出てから数日後の新聞ーー
愛知の台風で土砂崩れが起き、何人も死亡したーー
同じく愛知で、土木建設会社社長の殺人事件ーー
土木建設会社の近くで、土砂の中から身元不明の少年の遺体が発見されたーー
教由は、この時、死んでいた?
浅見の推理はーー
お金も食べるものもなかった当山少年と教由少年。豪雨の中、土木建設会社の事務所に忍び込み、盗みを働いていた。それを社長に見つかり、社長を殺してしまったのでは?
さらに不運が重なり、教由は土砂崩れに巻き込まれた亡くなったーー。
教由を失った当山は、笑うことさえ罪と思い、黙々と働き、好きな人が出来ても結婚せずに、ただただ働き続けていたーーただただ黙々と生き続けることが教由への償いと思っていたのではーー。
そうなると、フェリーで会った「稲田教由」は?
当山の知り合いである可能性が高い。
当山は保険金詐欺の計画を萌子と「知り合い」に話して実行。
萌子は偽装結婚をして当山の願いを叶えようとするくらい、当山のことを愛していたーー。
浅見はそこまで推理が及ぶと、突然図書館を飛び出し、藤ノ川へ向かう。
稲田ゆかりの神社に手を合わせる萌子ーー。
そこに現れたのは、「稲田教由」を名乗っていた男だった。
萌子「あなたが、当山を殺したのね……どうして……?」
「当山を愛してたってかまわない。俺はお前を心から……」
「私は最初から最後まで当山を愛している」
男は萌子を刺す。
抱きしめながら、
萌子、俺はお前の女房だーー
ちがう、私は、当山の女よーー
浅見が駆けつけるものの、既に遅かった……男は逃亡していく。
「あの人は一度も故郷へ帰れなかったのに、私はあの人の故郷でーー」
萌子は微笑みながら絶命した。
紙すきをしている広信ーー
稲田家の門に立ち尽くす浅見と佐和。
そこに橋本がやってきて、一報を知らせる。
教由のふりをしていた男が、捕まったという。
自分だけを愛してほしくて萌子殺害に及んだ男ーー。
浅見は憤った。
広信と浅見と佐和は村を一望する。
みんなが帰れる村を守りたかったという広信。
「佐和、お前はもういい。何に縛られることなく、自由に生きろ」
浅見にお礼を言い、立ち去る広信だった。
四万十川を歩く佐和。
「おじいちゃんは自由にしろっていったけどーー私に与えられた運命だと思っています」
生まれた自分を差し置いて愛する男と駆け落ちした母の気持ちも、萌子の生き様をみて、少し分かった気がしたという佐和。
「浅見さん、離れたくないです」
目を閉じる佐和。
浅見はそっと唇を重ねた。
佐和は浅見を見つめ、黙って立ち去っていく。
浅見は佐和の後ろ姿を見つめていたものの、反対の岸辺へとあるきはじめた。
東京の夜ーー
四万十川の鰻を手土産に実家に帰宅。
「今度こそ、と思ったんですけどね……」
母に言われ
「僕もそう思ったんですけどね……」
母も兄も何かを察し、温かい眼差しで浅見を見つめる。
視線で応える浅見。
鰻を前に賑わっているお手伝いさんと兄嫁。
その様子に笑顔になる浅見。
僕には帰るべき故郷があるーー。
ーー終ーー