浅見光彦平家伝説殺人事件の原作ネタバレ結末は?真犯人は窪塚俊介?

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高慢な蝶

多岐川萌子が住む「ドルチェ南青山」へ何度か訪れるものの、多岐川萌子に会うことはできない。

浅見はマンションの詳細や購入方法などを詳細に調べつつ、稲田教由と住んでいた南品川のアパートを訊ねて大家に聞き込みをしてみた。

夫婦としての印象は悪く、仲睦まじい感じではなかったという。稲田教由は住所不定だったというし、アパートの状態も立地も悪い。月10万円以上の保険料を払っていたくらいなのに……

保険料を払うために住居費を節約する必要があった?

”夫婦”というより萌子の意志だった?

さらに区役所で稲田夫婦の転入前の住所を調べると、稲田教由の住所は高知県幡多郡西土佐村藤ノ川ーー20年もの間住所不定で暮らしてきたことになる。萌子にいたっては結婚前の住所「渋谷区桜丘町ーー」は生来の本籍地ではなく、静岡県島田市から本籍地をいったん渋谷に移してから結婚している。しかも結婚のわずか半月前。

不可解に思った浅見は、萌子の両親がいるであろう静岡県島田市へ向かう。

浅見は稲田教由の友人と名乗って、萌子の母から聞き込む。

家族は結婚のことも本籍を移動させたことも全く知らず、東京から保険会社の人がみえて初めて知ったという。

子どものころからの性格ーー人に負けたくない性分、自分中心で思ったら他人の言うことを耳に貸さない子ーーも聞けた。

さらに近所に「輦台」(れんだい)という名前の喫茶店を発見し、珍しい名前に惹かれて入っていくと、Kという女優の叔父がマスターをしている喫茶店だった。

マスターに多岐川萌子のことを聞くと、Kのファーストネーム、カヨの同級生だったという。

マスターの話では、萌子は才能がなかった、カヨだけが成功してずいぶん落ち込んだらしい……。

浅見は多岐川萌子が郷里を敬遠している理由が納得できるような気がしていた。

結局の所、犯罪事実は何もなかったのだーーという考えがゆっくりと支配しつつあったが、稲田佐和の記憶で消極的な義務感ながらも捜査の意欲を支えていた。

浅見はかつて萌子が勤めていた「サルート」を訪れた。

バーテンから、多額の保険金を受け取ったことから萌子の夫は誰かに突き落とされたんじゃないかという噂もあったと聞く。

ママの田中恵美は萌子ーーお店の名前では、真弓ーーの手厳しい批判を加えつつ、稲田は客としてきていた覚えはないし、どうやって萌子とであったのか、結婚すら保険会社に入るという話で知ったくらいだという。さらにママは現在萌子が持っている店が「女優」という名前だということを教えてくれる。

萌子がついていた客の名前をママに教えてもらったところ、その中の一人に「当山」という名前があったーー。

当山林太郎と多岐川萌子に接点があったーー浅見の脳細胞はフル回転しはじめる。

稲田教由、萌子、当山の3人が「しーふらわー号」に乗っていたという状況は、単なる偶然ではない。

 

当山が幼馴染の教由を殺すような冷酷なことができただろうか?

金のためとはいえ、萌子が殺すと決めた相手と結婚して平然と夫婦生活を送るという人間性に欠けたやり口に抵抗を感じる。

「しーふらわー号」での犯行方法はどのようなものだったのか?

 

浅見は、当山が那智勝浦で下船したことから「しーふらわー号」での転落事件のトリックを思いつく。

 

実際に堀ノ内とともに「しーふらわー号」で実験・実証してみせた浅見ーー。

トリックは、堀ノ内の姿が消えるのを見すましてから、階段入口(人目につかない場所)に走り、悲鳴を録音したマイクロテープレコーダを再生させたまま海へ捨てることーー。

しかし一つの仮設は成立したものの、教由の生存を立証する必要があった。

現状では警察は動いてくれそうにもない。

さらに稲田教由は「被害者」か保険金詐欺としての「加害者」なのかで稲田老人と佐和の立場が悲劇的な結末を迎えかねないことにも気づいてしまう。

浅見は稲田教由の生存と死亡を半分ずつ祈り、次の行動に出る。

浅見は多岐川萌子に電話を掛け、どうにか繋がった電話口で萌子は「いいかげんにしてよ、ヨっちゃん!」と誰かと勘違いして叫びながら応答してくれた。「稲田教由のことでお話がある」「稲田さんは生きている」とハッタリをかける作戦をとった。

翌日、萌子のマンションで浅見は萌子と対面する。

稲田教由について話しこみをしている矢先、2人の男性が現れる。

さらに警察や麻布署の名前を出してハッタリをかける浅見に、萌子と男性は笑い出す。

2人の男性は麻布署の警察官。萌子が「脅迫・恐喝を受けている」と待機させていたのだった。

萌子が警察を介入させたということは、自信の現れーー稲田教由の死は動かしがたい事実ということになる。

警察官の取り調べを受けた際、調書する西本警部補の姿から、浅見はひらめき、戸塚署の橋本刑事課長に電話をして、当山林太郎の転落時の目撃者の名前を聞き出すと、多岐川萌子だったーー!

浅見は戸塚署に向い、橋本課長の説明を聞いて、事件と多岐川萌子の関わりを知るとともに、萌子が当山の転落死に重要な役割を果たしていたと確信する。

もうひとりの目撃者・マンション管理人の妻に浅見は聞き込みをすると、当山はマンションを買ったばかりであること、12階以外から落ちた可能性があること、さらに集金にきたホステスが新聞受けからリビングルームにちらっと人の動くような影が見えた話から、浅見には密室の謎が解けたようだった。

浅見は橋本課長に、稲田教由が住んでいた南品川アパートの採取と、亡くなったマンションから採取した指紋を照合するよう促した。

このマンションは稲田が死んでから1年後に建ったーー指紋がもし合えばーー。

 

愛と疑惑と

浅見は自宅に戻るとーーなんと緊張の面持ちの佐和がいた。

いかがわしい目で見ていた母・雪江に佐和のことを「平家一門の子孫」と話すと息子の好ましい相手として認知してくれた。

家族と佐和と夕飯を取った後、応接室で2人きりで話す浅見と佐和。

浅見は一瞬悩んだものの、佐和にこれまでの推理と稲田教由は生きているーーと素直に話すと、佐和は反論。

叔父は死んでいる、といってきかない。

浅見の推理はそのとおりかもしれないが、叔父・教由は死んでいる、ただなんとなく、この世にはいない気がするーー浅見も佐和の直感の方が強いと認め、佐和も緊張が解かれていく。

佐和は多岐川萌子に会うというが、浅見は心配でしかたがないものの、2人でやりとりしているうちに気分がほぐれてきた。

「藤ノ川はいいところですねえ、ぜひまた行ってみたい」

という浅見に、佐和は、祖父も喜ぶし浅見さんのことをとてもいい人だって言っていたと伝えると……

浅見「あなたは、どうなのです」

佐和「え?」

2人は見つめ合うものの、佐和の口から「好きです」という言葉が。

浅見は佐和の唇に自分の唇をゆっくり重ねていった。

戸塚署の指紋採取により、南品川のアパートから採取した身元不明の男性のものと思われる指紋と、高田馬場コーポラス当山の部屋から発見された貴重な1個の指紋が一致。

稲田教由は生きている!?

しかし指名手配をかけようとする橋本課長に待ったをかける浅見だった。

 

佐和は東京にいる間、多岐川萌子を訪ねているものの空しく帰ってくる日々だった。

その間浅見は当山が経営していたコーヒー店の近所で聞き込みを行っていた。

店の名前が「藤ノ川」であること、近所の古本屋の主人・富岡から、マスターの通り名が「タロちゃん」だったこと、過去のことは一切話さなかったこと、過去によほどつらいことがあったように陰のある人だったことを聞いた。

 

当山は過去と縁を切ろうとしていたにもかかわらず、店の名が「藤ノ川」という矛盾は?

稲田は20年もの間身を潜め、浮上し結婚してからも世間には出ずに挙げ句の果てに無二の親友であったはずの当山を殺害して地に潜った?もしそうなら純情だった教由少年が恐るべき変貌を遂げたのはなぜ?

浅見はあれこれ思案したが、故郷を出た直後に家に送った数枚の葉書、最後の1枚「明日は名古屋ーー」「昭和三十四年九月二十六日」ーー名古屋で一体何があったのか?

 

聞き込みの帰途、戸塚署により、橋本刑事課長ほか刑事たちの前で、当山転落時の密室のトリックを披露した。

 

集金のホステスが当山のマンションに訪れてチャイムを押した時、犯人は既に中におり、当山を殴った直後だったことが考えられる。

この時点ではまだ当山は死んでおらず、その後ホステスからかかってきた電話を犯人が受け取り「自殺する」と発言。

その時には密室トリックの細かい仕掛けをしていたため手袋を外していたから受話器に指紋が残ったと考えられる。

 

鍵が室内にあった上着ポケット内にあったのは、長いナイロン糸を上着ポケットの布地を経由して鍵に上手に通して郵便受けから外に鍵とナイロン糸を出す。

鍵を使った後に郵便受けからナイロン糸を手繰り寄せることで、上着ポケット内に鍵が入るようになっていたという。

 

浅見の言うとおりに実践してみると、室内の上着ポケットにしっかりと鍵が入っていたーー

 

 

麻布署の西本警部補の協力のもと、ついに萌子と佐和は対面。

叔父について聞く佐和に萌子は悪徳と毒のある返事しかしない。

教由は自称小説家でただの怠け者だった、保険金が入ったから稲田家におすそわけしただけ、実は葬式はしなかったし寺もないし、魂なんて存在しない。佐和が聞くに耐えない、毒されてしまう気分になりつつも、萌子の非常さに佐和も反発していく。

浅見が推理した内容を萌子にぶつけていくと、萌子は明らかに顔色を変え、嘘をついていると佐和は確信していく。しかし、萌子が浅見は強請りをして保険金のおこぼれにあずかろうとしている人間だと佐和に吹聴していく。佐和は動揺しながらも食いつき、叔父の遺品を貰う約束をこぎつける。

 

萌子の露骨な言葉で佐和の心に与えた傷は思いのほか大きかった。

佐和は浅見との出会い以来、運命的なものを感じていて、直感的に「特別な人」と意識していた。

浅見家へ戻った佐和は、浅見と顔が合うと思わず目を伏せていた。

萌子とのことを当たり障りない部分だけ報告し、浅見がなぜ叔父のことを調べるのか、目的を聞く佐和。

浅見は素直に、最初は好奇心、友人から持ち込まれた話で、今は半分佐和のため、半分は警察と好奇心のためと話す。

佐和はお金を儲けなくて良いのか聞くと、浅見はお金のことは心配しなくて良いと気遣う。

しかし佐和の様子がおかしいことで、萌子が毒づいたことで佐和が不安と疑惑で傷ついていることを悟る。

むき出しの憎悪が一瞬沸いたものの、佐和に優しく心配する必要はないと優しく声をかける浅見だった。

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